←前のページへ | 次のページへ→ |
社会交通工学科2年 石垣 昌樹 |
1.はじめに 房総半島は、関東地方の南東部、太平洋に面した半島である。千葉県の大部分を占め、犬吠埼が最東端で、最南端は野島崎である。 今回、記事に取り上げる南房総は、菜の花で有名な観光地帯となっており、多くの海水浴場が点在しており、JR内房線、JR外房線からは車窓から青い海、白い砂が見渡せる。この2路線が安房鴨川駅で接続しているので南房総を一周することができる。 ![]() 内房線の車窓 今ではこの2路線に各駅停車の113系のスカ色と湘南色のものが運用されているが、もうすぐ209系の車両に置き換わる予定なので、南房総に訪れたことがない方は特急電車の旅もいいが、113系の運用が終了する前に113系のクロスシートで各駅の雰囲気や海を満喫しながらゆったりとした旅を味わってほしい。 また、JR久留里線にも見所はたくさんあり、キハ30系が昔の国鉄色に塗り替えられて運用されているのでついでに久留里線にも足を運んでみてほしい。 これから、この3路線の基本的な情報とおすすめ観光スポットを簡単に紹介する。なお、駅の混雑度や雰囲気を示すための参考に2008年度の平均乗車人員ランキングを各路線に掲載したが、千葉駅(1日あたり107,122人)と、本千葉駅(1日あたり8,146人)と、蘇我駅(1日あたり31,038人)はJR内房線もJR外房線もどちらの車両も乗り入れるため、あらかじめランキングから除外している。また、乗車人員の隣の()内はJR外房線とJR内房線を合わせた順位を示している。JR久留里線に関しては無人駅が多く、正確なデータが不明な駅もあるので2006年度のデータを一部使用しているものがある。人数は参考程度に見ていただきたい。 2.お得なきっぷ 南房総にも、いくつかのフリーきっぷが存在する。出発地点や旅行日数、旅の用途に合わせて事前に購入しておくと良い。以下にお得なきっぷの一部を示しておいたが、期間限定のものもあるので、よく調べておいて購入してほしい。 ・ 南房総フリーきっぷ ・ 土・日きっぷ ・ ツーデーパス ・ 青春18きっぷ ・ 北海道&東日本パス ![]() 青い海 3.JR外房線の駅とおすすめ観光スポット ・ JR外房線の各駅 以下、略称は・・・の後を表す。 総快・・・総武線直通快速(総武快速線東京駅経由・横須賀線久里浜駅まで直通) 快速・通快・・・京葉線直通快速(京葉線東京駅まで直通) 記号 ●・・・優等列車停車駅 |・・・ 〃 通過駅 ||・・・この区間は走行しない ×・・・途中駅が終着駅のため、ここまでは走行しない
・ JR外房線の平均乗車人員ランキングベスト10(2008年度版)
※ 勝浦駅 1,365人/日、永田駅 1,360人/日 と続く。 ![]() 外房線の車両 ・JR外房線沿線のおすすめ観光スポット紹介 JR外房線は、千葉市中央区の千葉駅から房総半島の太平洋側を経由して鴨川市の安房鴨川駅を93.3kmで結ぶ路線である。全区間を運行するのは1時間に1本ほどで本数は少ないが、特急電車も運行されている。また、比較的113系8両編成の運用が多いため、茂原駅や上総一ノ宮駅を過ぎると空席が増えゆったりと座れる。内房線に比べ車窓から海を見渡せる区間が少ない。全線が東京近郊区間に含まれ、Suicaおよびこれと相互利用可能なICカードが利用できるJR外房線では勝浦駅から安房鴨川駅に太平洋の海が広がり、観光スポットが多く点在する。 JR外房線では代表となる観光スポット駅は勝浦駅である。勝浦には「勝浦海中展望塔」があり、鵜原地先の海中に建てられ、寒流と暖流の接点にあるので、海中展望室に下りて海底をのぞいてみると、マアジやイシダイ、ツノダシなど、年間を通してたくさんの海中の生物を観察することができる。一帯14.5haが「勝浦海中公園」に指定されている。また、海の博物館もある。最寄り駅から鵜原駅であるが、勝浦駅からのタクシーでのアクセスもできる。それと、勝浦には太平洋に突き出た「八幡岬公園」があり、全体が緑豊かな自然公園である。 終点の安房鴨川駅には、有名な「鴨川シーワールド」がある。すでに入館者数が3000万人を突破したという人気の施設で、園内の各スタジアムでは太平洋を背景にしたシャチのパフォーマンスをはじめとしてアシカやイルカ、ベルーガなどの多彩なパフォーマンスが繰り広げられる。また、まるで海の中を泳いでいるように生き物たちを観察できるトロピカルアイランドも見所である。動物たちとのふれあいも体験できる。 他には、大原の「大原はだか祭り」や勝浦の「勝浦ビックひなまつり」も年行事で行われる大きなイベントである。 4.JR内房線の駅とおすすめ観光スポット ・ JR内房線の各駅 以下、略称は・・・の後を表す。 総快・・・総武線直通快速(総武快速線東京駅経由・横須賀線久里浜駅まで直通) 快速・通快・・・京葉線直通快速(京葉線東京駅まで直通) 記号 ●・・・優等列車停車駅 |・・・ 〃 通過駅 ||・・・この区間は走行しない ×・・・途中駅が終着駅のため、ここまでは走行しない
・ JR外房線の平均乗車人員ランキングベスト10(2008年度版)
![]() 内房線113系 ・ JR内房線沿線のおすすめ観光スポット紹介 JR内房線は 千葉市中央区の蘇我駅から房総半島の東京湾側を経由して鴨川市の安房鴨川駅を119.4km で結ぶ路線であるが、実際は外房線を走行し千葉駅から運用されているものがほとんどである。全区間を運行するのは1時間に1本ほどで本数は少ないが、館山駅(一部千倉駅)までは特急電車も運行されている。また、比較的113系8両編成の運用が多いため、木更津駅や君津駅を過ぎると空席が増えゆったりと座れる。外房線に比べ早い段階で車窓から海を見渡せる。全線が東京近郊区間に含まれ、Suicaおよびこれと相互利用可能なICカードが利用できる。JR内房線では上総港駅周辺から館山駅に東京湾の海が広がり、観光スポットが多く点在する。 ![]() 館山駅東口 ![]() 館山駅西口 JR内房線ではその代表となる観光スポット駅は館山駅である。この館山駅は南国をイメージした駅舎であり、窓や灯りなどがとてもレトロ風な感じである。この駅は千葉駅から離れた地点であるわりには乗車人員が多く、駅周辺の交通量も多い。この館山には「城山公園」があり、ここは戦国大名里見氏が最後の居城にした館山城の跡である。中腹にある館山市立博物館本館では、戦国大名里見氏を中心に、館山市の歴史を紹介している。サンゴの北限域に位置する沖ノ島では、人気の海辺の自然体験スポットで、中でも海からの贈り物を拾い集めるビーチコーミングは人気のプログラムである。南房パラダイスでは、そのシンボルであるマーライオンが来訪者を出迎えてくれる。熱帯・亜熱帯植物を観賞しながら、大型の連続温室を散策でき、蝶館、ふれあい動物広場、小鳥館では、様々な体験イベントを開催している。マンボウランドでは小型船に乗船して、波左間港沖合いのイケスで愛くるしいマンボウをウォッチングができる。海中観光船では半潜水式の海中展望室から色鮮やかな魚たちと一緒に海中の世界を満喫できる。さらに、毎月第一土曜日には夜になると青く神秘的な光を放つウミホタルを体感できる「ウミホタル観察会」を開催している。とにかく館山は広いので、多くの観光スポットがある。 ![]() 鋸山ロープウェイ 浜金谷駅では東京湾フェリーがあり、千葉県金谷港と神奈川県三浦半島久里浜港と約40分で結んでいる。3船(かなや丸、しらはま丸、くりはま丸)ダイヤの日と2船ダイヤの2つのダイヤでくまれている。ツーデーパスはこの東京湾フェリーもフリーエリア内である。デッキで海を見ながら海風にあたりのんびりとした船旅もいい。 ![]() 日本寺大仏 ![]() 鋸山山頂からの眺め ![]() 地獄覗き 他には、佐貫町駅からバスを利用すれば「マザー牧場」、「鹿野山神野寺」にアクセスでき、太海駅からは「仁右衛門島」、「鴨川オーシャンパーク」、「太海フラワー磯釣りセンター」などもある。 |
|
次のページへ→ |